テレビで連日報道される新型コロナ報道。次々「第〇波」が世界中を襲い、変異株も続々出現しています。感染者の増減から重傷者、さらには志望者の数に至るまで、テレビを通じて私たちは「恐怖の報道」にさらされるのが日常となってしまいました。小林よしのり氏と宮沢孝幸氏の共著である「コロナ脳」は、そんなメディア操作に見事に操られている日本人に警鐘を鳴らす著作です。

コロナ論
視聴率を最優先するメディア
小林よしのり氏と宮沢孝幸氏の著作である「コロナ脳」では、視聴率を最優先するメディアを批判しています。メディアの中でも、特にテレビの報道の仕方に対して憤りを感じざるを得ないと記されています。なぜならテレビで新型コロナを報道するときには、「新型コロナの恐怖」「新型コロナの後遺症」「新型コロナの感染力の強さ」等、ネガティブな内容が大半を占めているからです。
確かに「新型コロナにかかるリスクの少なさ」等については殆ど報道されていません。例えば、新型コロナの予後について、知りたいと思う人は多いのではないでしょうか。しかし新型コロナの予後についても、良い予後についての報道は少なく、後遺症で苦しむ人や、体調がなかなか回復できない人などにばかりスポットを当てています。
これらはもちろん事実ではありますが、明らかに公平性に欠けた報道の仕方です。100%を100%で見ることなく、30%程度のネガティブな部分を100%にして報道していることが間違っていると当書籍では説いています。
多くの人は、恐怖を感じることに対して否が応でも注目してしまいます。人間とは本質的に、プラスを取り入れることよりも、マイナスを避けることを選ぶ場合が多いです。そのため、良い情報よりも悪い情報を得たいと思い、ネガティブな報道からは目が離せなくなるのです。
その様な人間の深層心理を利用して、テレビメディアは「新型コロナ」という格好の材料で視聴率を獲得。日本人の多くは、気が付かないうちにメディア操作の術中にはまり、「新型コロナ」という言葉に対して過剰反応するようになったのです。
実際のところ、新型コロナは感染拡大当初「スペイン風邪並みの強毒病原体」と言われていました。ところが後の経過を俯瞰的に分析した結果、「感染力は強いが病原性は意外と低い季節性風邪ウイルス」と判明したそうです。当書籍ではこの情報を踏まえて、遥かにウイルスの実害より人災の方が大きかったと分析しています。
小林よしのり氏と宮沢孝幸氏の歯に衣着せぬ言葉が爽快
「コロナ脳」は、小林よしのり氏と宮沢孝幸氏の歯に衣着せぬ言葉が読み手に爽快感を与える書籍です。作中では、すぐに守りに入りたがる日本人特有の性質から、新型コロナの心理的パンデミックが広がっているのだと説いています。読み終えると今まで施行されてきた新型コロナ対策は、余りに極端だったのではないかと改めて考えさせられる作品です。
書籍データ
コロナ論 日本人はデマに殺される
小林よしのり・宮沢孝幸 著
小学館新書
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