コロナ感染爆発は分からないことばかり 『コロナパンデミックは本当か?』Sバグディ&Kライス著 大橋眞監修

新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっていると言われています。コロナウイルスの話題は1年を超え、いまだに新型と言葉がつきます。いつまで新型なのでしょうか?そもそも新型なのでしょうか?何か見落としていることはないのでしょうか?

「コロナパンデミックは本当か?」では今回のコロナ感染拡大への疑問点を上げて、客観的な分析を試みています。

 

コロナパンデミックは本当か?

 

コロナウイルスによるパンデミックを違った視点から分析

 

「コロナパンデミックは本当か?」では、今回のCOVID-19が従来型のコロナウイルスと違うものなのか、まず疑問を投げかけています。ウイルス検出のために用いられるPCR検査があまりにも不安定であり、多くの人で陽性と陰性を行き来するのが普通なのです。信頼性の低さはこの検査の宿命とも言えるもので、PCR検査を多く実施した国で感染者数が増大し、日本のように検査数が増えなかった国では感染者数は抑えられてきました。同じウイルスならどこの国でも同じように感染するはずで、そこまで国によって違いが出ること自体、大きな矛盾ではないのかと本書では指摘しています。

 

本書では、既往症がある患者がCOVID-19感染で重篤化することを、逆から読み解いています。つまり、既往症がある人たちが感染症への恐れからストレスを蓄積し、さらにロックダウンによる自宅待機が長引くことでなにが起きるか、それを考えれば、今のコロナ対策はまさに既往症のある高齢者などの健康を狙い撃ちしている政策ではないか、という指摘です。新型コロナで亡くなる人の年齢は、その国の平均寿命と変わらないという主張も聞かれます。新型コロナそのものがどれだけ犠牲者を拡大したのか、明確に因果関係を明らかにできたケースはまだ検証途上と言ってよいでしょう。感染症への有効な対策は集団免疫しかないと考えて、いわば自然体で対応したスウェーデンのケースなども、本書では論じられています。

 

本書には大橋眞徳島大学名誉教授が、補足として一章を寄稿しています。大橋氏は感染が拡大し始めた当初から、新型コロナウイルスの特定方法への疑問を投げかけ、PCR検査の信頼度の低さを指摘し続けています。普段から人間の体内に潜んでいる常在ウイルスが免疫力の低下によって表面化し、それを犯人扱いしているのではないかという議論です。そして、世界中で取られているCOVID-19なるものへの対応シフトが、既往症を持つ高齢者の健康・体力を低下させる逆スパイラルに陥っていると考えれば、いま起きていることへの説明は可能です。

 

社会生活を逆回転させた新型コロナ「騒動」

 

首都圏郊外のある駅前で「新型コロナウイルスは存在しません」「政府の陰謀です」と演説している人もいます。陰謀かどうかの最終的な判断は個人個人ですが、大騒ぎになったほどには人に感染しなかったSARSなどとどう違うのか、素朴は疑問は誰にもあると思います。検査手法や、既往症との関係などは今後の疫学的、統計的な研究を待たなければならないでしょう。本書は一つの仮説に立ち、多くの疑問へのヒントを与えてくれます。

 

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