コロナウイルスの真実は?『本当はこわくない新型コロナウイルス』井上正康著

新型コロナウイルスは欧米諸国を中心に猛威をふるっていると言われていますが、それに比べて日本では感染者数も死者数も公表されているデータ上では少ないです。

本書を読むことでその理由の参考の一つとなるでしょう。新型コロナウイルスを必要以上に恐れることはないと理解できます。東アジア地域と他国との大きな違いは何なのか、専門家である医師の見解を読み取ることができます。

本当はこわくない新型コロナ

欧米のようには広がらない

 

本当はこわくない新型コロナウイルスは井上正康医師によるコロナウイルスの真実を明らかにする著書です。2020年の日本は欧米の惨状を目の当たりにすることで、大きな不安を抱かされてしまいました。マスコミによる感染者数の報道で、日本も欧米と同じ様になるかもしれないとの恐怖を感じていたのです。マスクをしない人、多くの人数で集まっている人、県外からの来県者を非難して排除しました。しかしいつまでたっても日本では欧米のように感染が広がりません。筆者はこのことに目をつけ、日本を含む東アジアの民族は新型コロナウイルスに対して免疫があるとの結論に達します。感染症の専門家である著者の視点から日本で感染が爆発しない理由が分かりやすく解説されています。

 

ウイルスと免疫

 

東アジア地域の人々には、早期に流入した軽症新型コロナウイルスによる免疫と、もともと東アジアに存在する旧型コロナウイルスとの交差免疫があるとの考えから、免疫力が大切だと説明しています。2020年1月から3月のインフルエンザによる死者数が例年よりも約1万人少ないことから、筆者はコロナウイルスへの対応によってインフルエンザによる死亡が抑制された結果だと考えます。コロナウイルスが蔓延しない理由を説明することで、必要以上に恐れることはないと読者に安心感を与える内容となっています。

 

ウイルスゼロは不可能

 

健康な人はウイルスを恐れずに通常の経済活動と感染予防をバランス良く両立させることが必要だと筆者は言いますが、リスクの高い免疫弱者に最大限の配慮をすることも大切だと指摘しています。過度な情報に振り回されることなく、正しい知識で冷静に対応し、ウイルスと共存しながら当たり前の日常を生きて行こうというのが本書のメッセージです。

 

ウイルスと共存

 

死亡するリスクのあるウイルスに対しては警戒することは大切ですが、今回の新型コロナウイルスに対しては反応が過剰だと筆者は考えています。免疫に対して弱い人は注意して日々の生活をおくるのは当然ですが、健康体の人はウイルスと共存しながら経済活動もしっかりとやって、当たり前に生きていくことが重要だと認識させられる著作です。

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